よくお店などで、「一日煮込んだ」とか「~時間煮込んだ」とか聞きますよね?
ふと、そんなに煮込んで何が変わるのか?と疑問がわきます。
そこで今回は、長時間煮込む理由についてまとめました。
長時間煮込む意味
例えば、ちょっとした肉を柔らかくなるまで煮込もうと思っても、もちろん部位にもよりますが、柔らかくなるまでそこまでかかりません。
長時間煮込むには大きく分けて、二通り意味があります。
一つ目は、牛筋などの筋がしっかりした肉を柔らかくするためです。
筋繊維をつないでいるコラーゲンを熱で分解するには2時間~3時間は必要です。
そのため、長時間煮込む必要があります。
逆に中途半端に煮込むと、繊維が縮んでいる状態なので固くなります。
二つ目は、骨や肉の塊からだしを抽出するためです。
何からだしをとるかにもよりますが、素材の旨味を抽出するには5~10時間かかると言われています。
このだしを抽出する作業に時間がかかるということです。
以上が大きな理由です。
それ以上煮込む理由
では、なぜ一日煮込んだりするのでしょうか?
これには様々な意見があると思いますので、例としてご紹介します。
例えば、先述したように牛筋は2~3時間で十分食べられます。
それ以上煮込むことによって、繊維が壊れ崩れていきます。
これを利用するのがさらに長時間煮込む一つの理由です。
さらに煮込み続けると、ペースト状になってきます。これを他の野菜などと一緒に煮込みペースト状にすることで、具として使うのではなく、味を入れて「ルー」のような意味合いで使う事で、「ルー」自体に旨味やコクが生まれます。
ここまでの状態まで煮込むのはかなりの時間がかかるので、~時間煮込んだと言うことによって美味しそうに聞こえるのかもしれません。
だしを抽出するためには?
ただ、骨をなんとなく煮込んでいても美味しいだしにはなりません。
そのためには、血や汚れなどをしっかりと掃除し、適切なサイズの寸胴や火加減、一緒に入れる野菜なども考えなくてはなりません。
これに関しては、素材によって大きく異なるので、今回は触れませんが、知識なしに煮込むと、時間をかけた割に美味しくならず、素材も時間も無駄にしてしまうので、しっかりと知識を身に付けてから行いましょう。
まとめ
結局、ただひたすら煮込み続けても美味しくなるわけではありません。
「~時間煮込んだ」というのは美味しさの加減ではないことを理解してください。
ただ、素材を知り、研究し、適切な煮込み時間を見極めて長時間煮込むことは、手間がかかるし素晴らしい事です。
なかなか家庭ではできない事なので、日々研究を重ねている料理人は素晴らしいと思います。
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