飲食店などではすでに定着しつつある低温調理。新たな調理法として取り上げられていますが、まだまだ一般家庭にはなかなか浸透はしていません。
最近では、家庭でも手軽に使える低温調理器も市販されています。考え方や注意点を理解して、本格的な料理を楽しみましょう!
低温調理とは
まずはここを理解していきましょう。
実は最近できた調理法に思われますが、考え方としては以前から使われてきました。
ローストビーフなどが代表的ですが、タンパク質が凝固する63℃から水分が抜け始める68℃の温度の間でゆっくり加熱し、食材全体がこの温度で加熱されることで、水分が逃げず、旨味の流出も防ぎ、しっとり美味しく調理できると言うことです。
さらに、真空調理法と合わせる事で、さらに効果が上がります。
真空調理法とは、真空パックのに調味料を入れ、加熱することです。
真空にすることで熱伝導率が上がり、均等に熱が通りやすくなり、一緒に入れた調味料も浸透圧により、少量でも味が染みやすくなります。
ここで紹介しているのは、この二つを組み合わせた方法です。
また、最近低温調理と呼ばれている料理法はこの方法です。
軽くまとめると、食材と調味料を真空パックに入れ、63℃~68℃の間のお湯で湯煎し、芯温がその温度になり、食中毒などのリスクを減らすためにその温度で、1~2時間加熱する。と言ったイメージです。
作り方
最近販売されている低温調理器を使えば、ジップロックなどを使い食材と調味料を入れ、水に沈めながら空気を抜き、真空パックを作れば、後は火を使わず、温度と時間を設定したら、放置するだけで完成します。
低温調理器がない場合は少し大変です。
もし機械に頼らないで作る場合は、温度計は最低限必要になります。
鍋に水を入れ、真空パックを入れ、その温度になるまで加熱します。
一定の温度になったら、火加減を調節して温度帯をキープします。また、温度のムラが出てしまうのを防ぐため、混ぜながら行います。
単純作業でやること自体は簡単ですが、温度帯をキープしながら混ぜなくてはいけないので、けっこう大変です。
もし、頻繁にこの調理法を使うのであれば、機械を買う事をお勧めします。
注意点
一番懸念されるのが、この温度で食中毒は起きないのか?と言うことです。
その上で、ひとつ頭に入れておいて欲しいのが、菌には色々種類があり、熱に強い菌もいたりと、この調理法であれば100%大丈夫というものはありません。
調理法よりも、使う食材の状態や処理の仕方、調理後の冷却方法、保存方法、加熱時間が大切です。
安全に料理をしたいのであれば、まずは最低限の食中毒に関する知識は勉強しておきましょう。
そして、この低温調理法をネットなどで調べると、「40℃~55℃」が一番菌が繁殖しやすいため、この温度帯を素早く抜けましょうと、よく記載されています。
嘘ではありませんが、その前の温度帯でも十分菌は繁殖します。夏場に食中毒が増えますが、外気や室内が40℃越える事ってなかなかありませんよね?
その前の温度帯でも十分に繁殖するからですね。
大切なのは加熱前の食材に菌を繁殖させない事です。肉はもともと菌が付着しているものも多いですが、初期の時点で増殖させない事です。
想像してみてください。例え、しっかりと加熱して殺菌したとしても、もともと菌にまみれていた食材を食べたいですか?
そして、低温調理の温度に戻りますが、63℃で30分加熱することで、かなりのリスクは抑えられます。
※この加熱時間は、食材全体が63℃になってからの時間です。
お湯が63℃になってからではありませんので注意してください。
もう一つ大切なのが、冷却時間です。
出来上がってすぐに食べる場合は問題ありませんが、ウェルシュ菌のように芽胞になり、繁殖しやすい温度になると再び繁殖をはじめる菌もあります。
これを防ぐためには素早く冷却する必要があります。
真空調理の場合はそのまま氷水につけ、素早く常温以下にし、冷蔵保存することにより、リスクをさげられます。
低温調理だけではなくすべての調理法においても言える事なので、頭に入れておいてください。
まとめ
器具さえ購入すれば、今は簡単に低温調理が出来てしまう時代です。
それによってご家庭でも手軽に本格的な料理を作る事が出来るようになってきました。
ただ、最低限の知識を持っていないと、低温調理のせいで食中毒になったと思ってしまうので気を付けましょう。
正しい知識を持って美味しい料理をつくりましょう。
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