サラダなどを作ろうと、葉野菜をめくると青虫のような虫が出てきて驚いた事がある方も多いと思います。
「虫も食べるくらいだから、美味しい」と聞いたこともあるかもしれませんが、果たして本当か?
結論から言うと、その野菜は美味しくありません。
それではなぜなのか?と言うことを説明していきます。
野菜の仕組み
まず虫が「つく」「つかない」は、植物の仕組みを理解することが重要です。
「光合成」はご存じだと思いますが、植物が太陽の光を浴びることで、二酸化炭素を吸収し、酸素と糖分を作ります。
もちろん酸素は空気中に放出されますが、糖分は土から吸い上げた硝酸態窒素と結合し、タンパク質になります。
これが正常の植物の流れです。
虫がつく理由
それではなぜ虫がつくのかという所です。
原因は「硝酸態窒素」です。
「野菜の仕組み」で説明した通り、正常にこのサイクルができていれば、実は虫は野菜を食べません。正確には食べたら死滅してしまいます。
色々原因はありますが、土から吸い上げた硝酸態窒素が過剰になり、この硝酸態窒素は虫が好む成分です。
そして、この成分が過剰にある野菜に虫や菌がつく訳です。
要するに、虫は健康的な野菜を嫌い、不健康な野菜を好むという事です。
虫がつくとだめな理由
硝酸態窒素が消化しきれていない野菜は腐りやすくなり、健康状態も悪く味も落ちます。
今のところ、人体への影響は直接的にはないとされていますが、発がん物質の生成の関与などの可能性が示唆されているため、好んで食べたくはないですよね。
ここまで読まれた方は分かると思いますが、虫がついている野菜は本来の状態ではないと言うことです。
それによって「美味しくはないですよ」と虫たちが教えてくれているのです。
虫がつかないようにするには?
大量に見かけだけにこだわった野菜は、土壌が悪く、虫がついても殺虫剤などをまいて虫がいなくなります。
ただ、この方法だと本来虫がついていたはずの野菜が分からずに、美味しくない野菜を食べてしまう可能性がありますよね。
有機農法の場合は殺虫剤などは使えないため、土壌を育てる必要があります。
微生物が働かないと分解しきれず、過剰な硝酸態窒素を野菜が吸収してしまいます。
そしてそれを虫が食べるわけです。
健康的で虫がつかない美味しい野菜は、バランスよく微生物ができる土壌作りが不可欠です。
まとめ
これで、虫がついてる=美味しいという概念はなくなりましたね。
ただ、虫がついていると言うことは、殺虫剤などの人体に影響がありそうな農薬は使っていないと言うことです。
そして、虫が不健康な野菜を教えてくれていると言うことでもあります。
文章で簡単には書いていますが、この土壌を作って美味しい野菜を育てるには、本当に大変な作業です。
実際に日本にはこうした作業を毎日行っている農家さんがたくさんいます。
そんな農家さんの野菜がもっと広がれば、野菜嫌いが少なくなると考えています。美味しい野菜を食べて健康的な生活を送りましょう。
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