料理人への入り口は狭くはなく、むしろ広いです。
自分の作りたい料理や、お店で人員募集していて採用されたら、まずは第一歩です。
そして、ここからが大変で長い道のりです。
※現在のコロナ禍の社会情勢では以前と違い飲食業界も厳しい状態です。新規の採用もしていない事が多いので、入り口は狭くなってしまっているのが現状です。
料理人になるためには?
先ほど記載したように、まずは目指したいお店で働くのが一番です。
その先を簡単にまとめます。
- 与えられた仕事を覚える。
- 慣れてきたら、他の人の仕事を見ながら覚える。
- 次のポジションを与えられる。
- 覚えながら次のポジションを目指す。
- これを繰り返す。
- 全てのポジションが出来るようになり、メニュー開発まで任されたら、「料理人」と言えるだけの実力は身についています。
簡単にまとめるとこんな感じですが、実際はそんなに簡単ではありません。
ランチからディナーまで営業している店舗では、朝から終電近くまで働かなくてはいけない事もざらにあります。
また、先輩達は、オーダーや仕込みに追われ、あなたの教育になかなか時間が割けません。そんな中必死で喰らいついていき、仕事を覚え、周りから認めてもらわなくてはならないので、ここで脱落する人は多いです。
そして給料も決して労働に見合ったものではありません。
また、働いていない時間も予習や復習をしないとなかなか上えへは進めません。
もし、目指すのであれば、覚悟を決めてからをお勧めします。
五感をすべて使う仕事
上記をクリアし、料理人になっても、ここからの道のりも大変です。また、料理人と言ってもピンキリなので、全ての料理人がすごいという訳ではありません。
ポジションや店舗のキャパや人員配置にもよりますが、特に火を使うポジションは五感をフルで使っています。
簡単な例を挙げると、
- フライヤーに揚げ物を入れる。
- 煮物を作る。
- オーブンで肉を焼く。
- 振り向いて、切りものをする。
これを同時に行う事は結構あります。その時にどうやって五感を使うか説明していきます。
・1~3を行いながら、反対側にあるまな板の上で切りものをしている状態です。
視界には1~3は入りません。
・フライヤーに入っている料理は音で判断します。揚がってくると音が変わります。(聴覚)
・煮物は匂いが変わってきます。(嗅覚)
・オーブンの肉の焼け具合は、触って弾力で判断します。(触感)
・味見(味覚)、盛り付け(視覚)は当然使います。
これにより後ろを向きながらでも、揚げ物や煮物の状態がある程度把握でき、上記の事を同時に実行できるわけです。
ここまで出来るのは、簡単ではありませんが。
これを行いながら、新たなオーダーやイレギュラー対応、部下の指導などを行います。
もちろん店舗や業態によって、作り方は変わるので、ここまでやる必要のない店舗もあるし、これ以上の事を強いられる店舗もあります。
まとめ
料理人に限らず、仕事はなかなか楽なものはありません。
ただ、この過酷な作業もお客様からの「美味しい」と言う言葉で救われます。もちろん美味しく作る事を前提に働いて当たり前と言えば当たり前なのですが、そのために必死で働いているからこそ救われるのです。
もし、このブログをサービススタッフが見ていたら、お客様から頂いた「美味しかったよ」などの言葉は作り手に伝えてください。
キッチンにいる人間は感情表現が乏しい人間も多いですが(自分も含め)、心の中では喜んでいます。
また、お客様から頂いた、悪い評価も伝えるのも大切です。
全ての人が美味しいと感じるのは、味覚にも違いがあるので難しいですが、気が付かないうちに割りを間違えていたりすることもあるので、確認は必要です。
ここまで見るとなかなか大変な仕事ですが、その分やりがいはある仕事です。
へとへとになるまで働くことは、悪い事ではないと思います。
ただ、限界は人によって違うので、自分は出来たからと言って、人に強要するのは現代の働き方ではないとは思います。
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