脂ののった美味しい魚。やはり塩焼きにするのが美味しいですが、毎日だと少し飽きてしまいます。そんな時に使えるつけ焼きをいくつかご紹介します。
以前に西京焼きの作り方を記事にしたものがあるので、西京焼きはこちらをご参照ください。

季節に合わせて色々とアレンジも出来る基本からご紹介します。
幽庵焼き
歴史
そもそも幽庵焼きとは何か?と言う事からご説明します。
もともとは、茶人の北村祐庵が作ったとされるものですが、当時はみりんなどの調味料が高価であったため、普及しませんでした。
そのため、一般的に普及したのは没後約百年後からと言われています。
調理法としては、酒、みりん、しょう油にカボスや柚子などの柑橘を数日漬けこみ、焼く料理の事を言います。
作り方
作る工程は非常に簡単です。
下処理
魚を切り身し、軽く塩を振り、30分~1時間置きます。(厚さに応じて時間調整)
水分が出るので、洗い流し、水気をとります。
忘れがちですが、この下処理を行うことで、余分な水分が抜けて味が入りやすくなる事と、臭みが消えるので、少し手間ですが必ずやりましょう。
漬け込み
割合は、酒1:みりん1:濃口醤油1です。
そこに、カボスやスダチ、柚子の皮などを一緒に漬け込みます。
私は毎回、柚子の皮を漬け込みます。
漬け込み時間は、魚の種類、厚さ、好みによりますが、最低30分は必要です。
数日漬け込むと言われることもありますが、1時間ほど漬け込むだけで十分味が染みます。
焼く
漬け焼全体に言えることですが、塩分や糖分を含ませているため、中心まで火を通そうとすると、焦げやすいので注意してください。
基本的には、弱火で焼く事です。
目を離すと気が付いたら焦げているので、こまめにチェックしてください。
火が通ったら、仕上げに漬けていた地を刷毛でぬり、強火で乾かすとさらに風味が増します。
仕上げ
このままでも十分美味しいのですが、最後にもう一度千切りにした柚子の皮をのせたり、おろしたゆずの皮を振りかける事で、プロの味に近づけます。
合う魚
基本的には何でも出来ます。
ただ、やはり鮮度が良く、脂ののった魚は、塩焼きが一番かと思います。
淡白な白身魚が適していると思います。
その他の漬け焼き
木の芽焼き
季節的にはよく真鯛に使われます。
作り方としては、幽庵焼きとほぼ同じで、漬ける地に柑橘を入れず、仕上げに木の芽を細かくたたいたものをのせるだけです。
春時期には木の芽の香りが非常によく合います。
もろみそ焼き
これは肉でも使えます。
もろみそに、長ねぎのみじん切りを入れ、しょう油とみりんを少々合わせ、漬け込みます。
焼く際は、みそなので焦げやすくなるので注意してください。
みそ漬け焼き
こちらも肉でも出来ます。
参考レシピです。
・白みそ 300g
・濃口しょう油 50cc
・砂糖 100g
・みりん 30cc
※お好みで、おろしにんにく、紹興酒
こちらもみそなので、焼く際はご注意を。
まとめ
魚や肉が大量に手に入った際には、こういった調理法を知っておくと便利です。
漬けるだけなので、簡単だし、漬け込んでから冷凍することも可能です。
魚よりも肉の方が基本的には味が染み込みにくいので、漬け時間を調整してください。
漬け焼きにした食材に、季節の香味野菜をちらすだけでも、十分季節感が出て、食卓が華やかになります。
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