食あたりや食中毒の症状が出た時に、ほとんどの人が前日までさかのぼり、食べた「魚」や「肉」を考えてしまいます。
しかし、実際には野菜にも菌は付き、浅漬けや加熱食品でも菌は繁殖します。
ただ、原因が野菜だとはあまり考えないので、もしかしたら、魚や肉による食中毒と考えられていたものも、実は野菜によるものだったかもしれませんね。
野菜に菌がつく理由
原因はいくつか考えられます。
・土や肥料の中の微生物から
・鳥、動物から
・水から
・梱包作業での人の手や段ボール
以上の事が皆さんの手に届くまでの間で考えられる原因です。
しかし、口に入るまではさらに工程をはさみます。
・切る時の包丁やまな板などの調理器具
・手
・タッパーなどの保存容器
ここでの繁殖も考えられるので、意外と菌がつく可能性はあるわけです。
浅漬けに菌が繁殖する理由
夏場に浅漬けによる食中毒が近年増えてきているようです。
ただ、それは以前からあった可能性がありますが、浅漬けに関する食中毒への意識が高まったからかもしれません。
塩で漬けてあるから大丈夫!
と思われてしまいますが、菌が死滅するには浅漬けの塩分では足りません。
もともと菌がついた野菜をしっかり洗わずに、加熱処理をせず、常温で放置されることが多いので、菌はどんどん繁殖していきます。
加熱すれば大丈夫?
加熱したらほぼ菌は死滅します。
ただ、問題は冷却時間です。ウェルシュ菌のように「芽胞」を作る菌もいます。加熱すると仮死状態になり、一定の温度になると繁殖を始めます。
30~37℃が菌が繁殖しやすい温度です。この温度が長いと菌がどんどん繁殖します。
氷や流水にあてたりし、速やかに温度を下げ、冷蔵庫に入れることで繁殖を防ぐことができます。
そしてこの温度は夏の気温とほぼ一緒だとお分かりになると思います。
そのため、夏に食中毒が増えるのです。
ぬか漬け
塩分もあり、大丈夫そうに感じますが、ぬか漬けも菌が繁殖する可能性があります。
「ボツリヌス菌」がぬか漬けではよく聞きます。
特徴は熱に強く、空気に弱い。
そして、野菜の土などにも生息していることがあります。それをぬか床に入れてしまうと繁殖する可能性があります。
放置したぬか床は危険です。毎日混ぜることで空気を入れ繁殖を防ぎましょう。
まとめ
野菜が食中毒の原因になることがお分かりいただけましたか?
まずはしっかり洗うことが一番の予防です。
そして、夏の出店などで販売している浅漬けも温度を気を付けましょう。
昔はここまで野菜を疑われていなかったため、あまり注目されていませんでしたが、実際に浅漬けによる集団食中毒もありました。
特に夏は、怪しいものには手をつけないのが予防になります。
せっかく美味しく作っても、体を壊しては意味がありません。
安全も意識していきましょう。
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